糖尿病,動脈硬化,高血圧と、足がつるこむら返りの関係とは?
このページでは、
糖尿病・動脈硬化・高血圧と、こむら返りの関連性
についてどこよりも分かりやすく説明します。
「こむら返り」とは、本来「ふくらはぎがつる」事を指します。
しかし当サイトでは、この意味を意識せずに「こむら返り、足がつる」という表現を使っていますので、同じ意味だと考えてください。
また、ふくらはぎのつりも、その他の部分(足裏など)のつりも、原因・予防などは基本同じと考えて問題ありません。
スポンサーリンク
生活習慣病と、足のつり
足がつる原因の一つとして、「生活習慣病」を挙げられます。
生活習慣病とはその名の通り”生活習慣の乱れ”が原因で発病するもので、以前は「成人病」と呼ばれていたものです。
したがって、
かつて三大成人病と言われていた「糖尿病」「高血圧症」「動脈硬化症」は今でも”三大生活習慣病”と呼ばれています。
今回はこの3つの病気と、足つり(こむら返り)の関連を説明します。
中でも、特に重大な合併症を引き起こすことが多い「糖尿病」と足がつることとの関連性を中心に説明したいと思います。
※動脈硬化・高血圧との関係についても、しっかり記載しております
ではさっそく、
「糖尿病についてのお話」から始めましょう。
糖尿病とは?
それではまず、
簡単に「糖尿病」とはどのような病気なのか、説明します。
糖尿病とは
血液中のインスリン量が不足することで、血糖が代謝されなくなり、高血糖の状態が持続する病気
です。
■参考!
●血糖
血糖とは、血液中のブドウ糖濃度のことです。
食事などで摂取した炭水化物や糖質は、最終的にブドウ糖となり、血液を介して各細胞に運ばれ、エネルギーとして消費(代謝)されていきます。
特に脳はブドウ糖を唯一のエネルギー源として活動しているため、ブドウ糖が代謝されないと正常に機能しなくなってしまいます。
●インスリン
インスリンとは膵臓から分泌される物質で、エネルギー源であるブドウ糖を細胞に取り込ませるための中間物質として働く代謝ホルモンです。
「糖尿病」は膵臓の機能不全により、
ブドウ糖を十分に消費させるだけのインスリンが分泌できないために発病する病気
です。
したがって、
”血糖値が高い(空腹時血糖…70〜109mg/dl以上、食後2時間血糖…140mg/dl以上が目安)”
というのはインスリンの分泌不足が考えられ、糖尿病が強く疑われることになります。
血糖値は採血で測定しますが、食後すぐの状態では血糖値が上昇しているので、
「空腹時か食後2時間以上経過してから」
測定することが重要となります。
それでは、続いて糖尿病の「症状」「合併症」について説明しましょう。
この「症状や合併症」が分かってくると、なぜ足がつりやすくなるのか、その答えが見えてくるでしょう。
スポンサーリンク
糖尿病の症状とは?
糖尿病自体は自覚症状がほとんどありません。
初期症状としては、
以下のようなものが挙げられる程度です。
- 疲れやすい
- すぐに喉が乾く
- 性欲が減退する(男女共)
- 生理不順(女性)
- 目がかすむ
いずれの場合も、ストレスや日頃の疲れが溜まっている程度にしか思えない症状ですが、これらのサインを見逃すと糖尿病の進行が進み、後に重い状態に陥るケースがあります。
糖尿病の合併症とは?
糖尿病を患って、一番怖いのが”合併症”です。
糖尿病には色々な合併症がありますが、中でも高い頻度で合併するのが次の3つの病気です。
糖尿病性神経障害
糖尿病の合併症では一番発生しやすい病気です。
症状としては、
- 手足のしびれ
- 知覚異常
- 四肢の麻痺
- 筋肉の萎縮
- 立ちくらみ
- ED(勃起障害)
などなど
多様な症状を引き起こします。
進行すると寝たきりになるケースも珍しくない、怖い病気です。
糖尿病性網膜症
目の奥の血管(網膜)に障害が起こり、視力の低下や白内障を引き起こし、最悪の場合失明に至るケースも多い合併症です。
糖尿病性腎症
腎臓にある尿を作る”糸球体”という器官に異常が発生し、腎不全を引き起こします。
慢性化すると人工透析が必要になります。
他にも、腎臓がん、うつ病、四肢の壊疽、認知症リスクなども挙げられます。
スポンサーリンク
足がつる(こむら返り)と糖尿病の関係は?
ではここからが本題です。
なぜ糖尿病を患うと、足がつりやすくなるのか。
それは、糖尿病の三大合併症の中でも一番高い頻度で合併する
「糖尿病性神経障害」
の症状の中にある
「筋肉の萎縮」
がその答えです。
これこそが「足がつる(こむら返り)ことと糖尿病の関係性」です。
では、なぜ糖尿病になると神経に障害が発生するのでしょうか?
冒頭で、
“ブドウ糖は細胞や脳のエネルギー源として消費される”
と説明しました。
糖尿病は、
インスリンという「ブドウ糖を消費させるための代謝ホルモン」の分泌量が著しく減るか全く分泌されなくなってしまう病気です。
特に脳は
“ブドウ糖を唯一のエネルギー源として活動している臓器”
ですから、インスリン不足で引き起こされるブドウ糖の供給不足は、自律神経に重大な悪影響を及ぼしてしまうのです。
要は、脳が上手く働くなってしまうということです。
この自律神経が正常に働かなくなる状態を「自律神経失調症」と呼んでいますが、この中には「電解質異常」も含まれています。
この「電解質異常」が、こむら返りや筋肉の痙攣を引き起こす直接的な原因です。
参考!:電解質異常と足つりの関連とは?
⇒足がつる(こむら返り)の原因と対処法・治し方・予防対策!
では続いて、
足がつる事と、「高血圧や動脈硬化」との関係についても説明しましょう。
足がつる(こむら返り)と高血圧、動脈硬化症との関係は?
冒頭でも述べました通り、
三大生活習慣病には糖尿病の他にも高血圧症と動脈硬化症が含まれます。
この3つの病気は非常に関連性が深く、
どれか一つでも発病すると他の二つの病気を合併することが多いということが明らかになっています。
ではここからは、
「高血圧症・動脈硬化症」とこむら返りの関連
について簡単に説明していきます。
高血圧症と、こむら返り
高血圧症は、
血管の狭窄(狭くなること)や血栓によって血管の内圧が高まる病気です。
要は、血が流れる道が狭くなり、そこで血の渋滞が起きることで、血管がパンパンに膨れ上がってしまうイメージです。
生活習慣病の中でも代表的な病気であり、上記の通り血液の流れが悪くなる事から、こむら返りや筋肉の痙攣を引き起こしやすくなります。
参考!
⇒足がつる(こむら返り)の原因と対処法・治し方・予防対策!
動脈硬化症と、こむら返り
血管は、「しなやか」かつ「丈夫」な筋肉組織で作られています。
動脈硬化症とは、
その筋肉が「劣化」し、しなやかさを失って血流障害を起こす病気
です。
この「血管を劣化させる」原因には
- 活性酸素
- 悪玉コレステロール
- 塩分過多
- 血糖値の上昇
などが考えられます。
筋肉がしなやかさを失うと”固く分厚く”なります。
イメージとしては、イボやマメが、「厚く固く」なるのと同じようなことです。
高血圧と同様に、血液の流れが悪くなる事から、こむら返りや筋肉の痙攣を引き起こしやすくなります。
では最後に、
「糖尿病・高血圧・動脈硬化」の関係性を簡単に説明しましょう。
三大生活習慣病の相関関係とは?
動脈硬化症を患うと、
血管壁の肥厚した厚みの分だけ血管の内側が狭くなります。
すると血管内で血の渋滞が起こりやすくなり、高血圧症を併発します。
また糖尿病で血液中のブドウ糖濃度が高まると、血液がドロドロになります。
すると、血を流すためにより大きな力が必要となり、血管壁の負荷が大きくなり、劣化しやすくなります。
その結果として、動脈硬化症を併発しやすくなります。
さらに、ドロドロの血液はすぐに固まりやすく、「血栓」となるので、高血圧を発症する原因となります。
このように三大生活習慣病はどれか一つでも発病すると、他の二つの病気を高い確率で合併します。
そして、二つ、三つと重なるごとに、「がん」や「脳梗塞」、「心臓病」など日本人の死亡原因上位を占める病気を合併しやすくなります。
しかも、いずれの病気も目立った自覚症状がなく、いつの間にか進行してくため、三大生活習慣病はサイレントキラー(沈黙の暗殺者)とも言われています。
では、三大生活習慣病を患わないためにはどうすれば良いのでしょうか。
それは、
バランスの取れた食事を摂り、適度な運動習慣を身につけ、ストレスや疲れを残さない様に夜は早めに寝て、休日には趣味を楽しむことです。
これは「糖尿病」だけでなく、「高血圧」と「動脈硬化症」を予防・改善するための最もシンプルで確実な方法です。
あわせてご確認ください
>>足がつる(こむら返り)の原因と対処法・治し方・予防対策!
■足がつる(こむら返り) 一覧■