足のしびれ、腕・手のしびれ、指先のしびれ【原因と病気】
このページでは、
- 「しびれ」の原因は3種類ある!
- 「足のしびれ」
- 「手・腕のしびれ」
- 「手と足の両方のしびれ」
- 「指先のしびれ」
についてどこよりもわかりやすく!説明しています。
はじめに!
正座していると足がしびれた・・・
特に何もしてないのに手がしびれる・・・
最近、指先が頻繁にしびれだした・・・
骨折した部分がしびれてる・・・
このように「しびれ」には、正座による一時的なしびれから、なんらかの病気よる長期間のしびれ、怪我によるしびれなど、色々なしびれがあります。
このページでは、なぜ正座をすると足がしびれるのか?といった一般的なものから、手足や指先がしびれる原因・病気といったやや深い話を、わかりやすくお伝えしていきます!
ではまず最初に、
「しびれ」とは何なのか?ということから説明していきましょう!
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「しびれ」には大きく2種類ある!
まず、
「しびれの原因」は以下のタイプに分かれます。
- 「血管の収縮運動による血流障害」からくるタイプ
- 「神経障害」からくるタイプ
このように一口で「しびれ」と言っても、起こる原因は2通りあります。
また、脳梗塞などによって手がしびれ、完全に動かせなくなった状態や動かしにくくなった場合を「運動障害」と言いますが、この状態を「しびれ」と表現する場合もあります。
とは言え、これらの違いは後ほど 各”考えられる病気” の中でも軽く触れますが、深く考える必要はありません。
ちなみに!
「正座によるしびれ」を除いては、一般的に「神経障害からくるタイプ」が多いです。
そして、脳や神経は一般的に身体の半分を制御していますので、「しびれ」や「痛み」は通常半分だけに起こりますが、事故に遭った場合などは左右同時に起こる場合も少なくありません。
すぐに病院へ行く必要はない!
これから「しびれの起こる病気」を色々と紹介するので、不安になる方も多いかと思います。
しかし、
軽度の「しびれ」が出たり治ったりしているうちは、医療機関に相談する必要性はない
です。
ただし、
- しびれが長引いている
- 運動障害を伴う(歩けないなど)
場合は治療が必要な「しびれ」ですので、病院を受診する必要があります。
なお、骨折など怪我をした部位がしびれている場合は、「怪我による腫れ」によって内圧がかかり、神経を圧迫しているものと考えられます。
そのため腫れが引けば痺れも無くなりますが、不安な方は先生に相談してみましょう。
■手の指先の場合は注意が必要!
「手の指先」にしびれが頻繁におこる場合は、早めに病院に行きましょう。
人の体の中で「最も末端神経が繊細で複雑に入り組んでいる」部分が手の指先です。
指先に慢性的な痛みがあり、それが「しびれ」へと移行したということは、
・脳
・中枢神経
・運動神経
などに重大な障害が隠れている可能性があります。
とは言え、上で説明したようにまずは様子を見てみて、頻繁に起こる場合や不安がつきまとう場合は病院を受診してみましょう。
ではまずは、
「足のしびれ」の原因・病気から説明しましょう。
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「足のしびれ」の原因・病気とは?
ここからは
「足のみがしびれる」場合の原因や病気を説明します。
正座(せいざ)
もっとも一般的と言えるのが「正座によるしびれ」です。
正座を長時間すると足がしびれますが、これは
・血流障害
・神経障害
の2種類が関係します。
まず、正座をすることで血流が悪くなります。
すると、足の末梢神経(まっしょうしんけい)に酸素が送られなくなります。
(血は全身に酸素を送る仕事をしています)
また、抹消神経自体が正座によって圧迫されてしまいます。
この2つの要素があわさることで、末梢神経が上手く機能しなくなってしまうと、抹消神経が「しびれ」によって異常を知らせてくれるのです。
これが「正座によるしびれ」のメカニズムです。
腰椎症(ようついしょう)
一般的に「変形性腰椎症」と呼ばれる病気です。
背骨は24個の骨が重なって出来ているのですが、このうち腰にあたる5つの部分を「腰椎」といいます。
画像出典:http://www.hernia-therapy.com/page_e02.html
この「腰椎」が主に加齢が原因で変形していくことで、神経が圧迫され、腰痛や足のしびれを引き起こします。
腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんへるにあ)
上で出てきた「腰椎」。
この「腰椎」一つ一つの間に、クッションのような「椎間板」と呼ばれるものがあります。
これが中から出てきて近くの神経を刺激してしまうことで、痛みや痺れを引き起こします。
画像出典:https://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/lumbar_disc_herniation.html
脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)
背中には「脊椎」と呼ばれるものがあり、その中心には「脊椎管」があります。
さらにその中に神経が通っているわけですが、脊椎管が狭窄(狭くなること)してしまうことで、中の神経を圧迫してしまい、腰痛や足のしびれを引き起こします。
画像出典:http://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/spinal_canal_stenosis/
座骨神経痛(ざこつしんけいつう)
腰〜足に伸びている「坐骨神経」が、色々な原因によって刺激されることで、
・腰の痛み
・お尻〜ふともも裏の痛み
・すね
・足先
にしびれや痛みを引き起こします。
また、ふくらはぎの腫れや、締め付けられたような感覚をおぼえることもあります。
主に中高年にみられる病気ですが、
■若い場合
⇒「椎間板ヘルニア」が原因となることが多い
■中高年の場合
⇒「脊柱管狭窄症」が原因となることがおおい
という特徴があります。
足根管症候群(そくこんかんしょうこうぐん)
足の指先にかけて灼熱感(ピリピリとした感じ)を持った「しびれ」を伴う病気です。
足の甲やスネにはしびれが出ないのが特徴です。
また、くるぶしの後方下部を軽く叩くと足の裏に電気が流れるような感覚があります。
しびれの前には足首周辺に痛みが集中し、歩行時は痛みが強くなります。
スネの骨の神経が、足根管(かかとから足首にかけての神経の通り道)で圧迫されることで起こります。
起こる要因としては
- 足首の骨折
- 捻挫
- スポーツによる足首の変形
- ガングリオン(脂肪腫)
- 静脈瘤
- 腱鞘炎
などであり、整形外科での治療となります。
では続いて
「手・腕だけがしびれる原因」について紹介しましょう。
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手や腕だけがしびれる原因・病気
ではここからは、
主に「手や腕のみがしびれる原因・病気」を紹介しましょう。
手や腕のみにしびれを起こす原因としては、
- 手根管症候群
- 胸郭出口症候群
- 肘部管症候群
が考えられます。
これらの病気の場合は体型や職業も影響してきます。
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
パソコンやピアニストなど指先を多く使う人に多くみられます。
指の腱鞘炎やむくみなどで、手先に伸びる神経の隙間(手根管)が圧迫されることで「しびれ」が起こります。
(下画像のピンクの部分が手根管)
画像出典:http://segawa-geka.com/ortho/shukon.html
特徴として、
- 小指を除いた指先の方までのしびれ
- 親指の付け根付近の肉がやせ落ちる
といった症状がみられます。
胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)
なで肩の人や重い荷物を持つ肉体労働者がかかりやすい病気です。
腕や肩の動きを支配する血管や、神経が通る隙間(胸郭出口)が圧迫されることで、手や腕に「しびれ」がおこります。
また、手や腕以外にも肩や肩甲骨周辺にも痛みがみられます。
肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘の内側をどこかにぶつけた際に、指先までがビリビリとしびれた経験を誰もが一度はされているかと思います。
これは肘にある神経が圧迫されることでしびれを感じているのですが、肘部管症候群とは、長期間この神経が圧迫されることにより小指側がしびれる病気です。
肘の内側を通る神経の隙間(肘部管)が
- 腫瘍
- ガングリオン(手首などにできるゼリー状の物質が詰まったコブ)
- 加齢による骨の変形
などで詰まることが原因です。
では続いて
「手と足の両方がしびれる原因・病気」を紹介します。
「手と足の両方がしびれる」原因・病気
さて、ここまでは
- 足だけがしびれる原因
- 手や腕だけがしびれる原因
を紹介しましたが、ここからは「手と足の両方がしびれる」原因を紹介します。
なお、あくまでも両方しびれる可能性があるということであり、「足のみ」「手のみ」の場合もあります。
脳の障害
もっとも怖いのが「脳の障害」ですが、種類としては
- 一過性脳虚血発作
- 脳出血
- 脳腫瘍
- くも膜下出血
- 脳梗塞
- 脳卒中
などが挙げられます。
脳で内出血や腫瘍、血栓などによる血管のつまりが起こると脳細胞に血液が行き渡らなくなり、ダメージを受けた脳の部位によって様々な障害が起こります。
脳には運動機能を司る箇所があり、たとえば手の運動を司る部分に障害が生じると「手にしびれ」がおこりますし、他の部分についても同様におこります。
病気としてはどれも重大なものが多いですので、しびれ以外の症状として
- ろれつが回らない
- 体の一部が動かしにくい
- 頭痛やめまいがする
など脳の障害を示唆する症状がある場合は、至急病院を受診するようにしてください。
頚椎(けいつい)の障害
頚椎とは、簡単に言うと首の骨です。
画像出典:http://seitai-nagomi.com/?page_id=3659
背骨(脊椎)は首から尾骨まで連なっていますが、首の部分(7つの骨)を頚椎といいます。
この頚椎の障害として
- 変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)
- 頚椎後縦靭帯骨化症(けいついこうじゅうじんたいこっかしょう)
- 頚椎椎間板ヘルニア
などが挙げられます。
これらは、頚椎の変形などによって頚椎内を通る神経を圧迫することで、激しい痛みやしびれが起こります。
打撲や姿勢の悪さなどによって頚椎に変形が生じますが、加齢も重大な原因の一つになります。
スポーツ中などに頭から落下し、首を損傷することで手足に麻痺が残ることは少なくありません。
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)
「血流障害からくるしびれ」の中でも重症度が高く、治療が必要となる病気の代表格です。
手や足の動脈硬化により
- 閉塞(血の塊で血管がつまる)
- 狭窄(狭まること)
がおこると、全身の血流が悪くなります。
その結果、
- 手足のしびれ
- 手足の指が白くなる
- 手足が冷える
- 眠れないほどの痛みがある
- 階段の上り下り時に特に痛む
- 潰瘍(かいよう)
- 壊死(えし)
などの症状が起こります。
では最後に、
「指先がしびれる原因・病気」について説明しましょう。
「指先」がしびれる原因・病気
指先がしびれる原因・病気としては
- 糖尿病性神経障害
- 甲状腺機能低下症
- 脳梗塞
- 閉塞性動脈硬化症 ※上で説明済み
- アルツハイマー型認知症
- 精神疾患
などが挙げられます。
糖尿病性神経障害(とうにょうびょうせいしんけいしょうがい)
糖尿病の三大合併症の一つです。
手足の指先が左右対称にしびれるという特徴があります。
最初は手足の先にピリピリとした「しびれ」が出てきて、次第に体の中心に向かって進行していきます。
この「しびれ」が左右対称に起こることを「多発性ニューロパチー」、左右バラバラに起こることを「虚血性ニューロパチー」と言います。
「虚血性」とは “血が足りていない” という意味で、名称からも血管性の障害ということがわかります。
糖尿病になると動脈硬化症や高血圧を合併します。
また、糖尿病自体が「血液がドロドロの状態」なので、末端の細胞に十分な血液が供給できないため、抹消神経の障害を起こしやすくなります。
「多発性」、「虚血性」のどちらも早期の治療が必要で、こじらせると下肢や指の切断などが必要になる危険性があります。
なお、治療は内科・神経内科・代謝内科などが行います。
甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)
主な症状として
- 手足のしびれ
- 倦怠感
- かすれ声
がみられます。
40代以上の女性に多い病気なので、更年期障害と間違われやすいですが、別の病気です。
この病気は、加齢や他の病気に伴って甲状腺ホルモンの分泌量が減ってくることが直接的な原因です。
他の症状として
・体重増加
・むくみ
・便秘
・汗をかきにくくなる
などの症状もみられやすいです。
なお、治療は内科で行われます。
脳梗塞(のうこうそく)
脳の血管が血栓や狭窄で詰まりが生じ、脳細胞が死滅してしまう病気です。
脳の「運動を司る部分」の中で、手足の指先の動きを制御する部分に障害が起こると、「指先のしびれ」を起こすようになります。
アルツハイマー型認知症
脳萎縮を起こすアルツハイマー型認知症も「運動を司る部分」に障害を起こしやすく、「しびれ」が高頻度で起こります。
精神疾患
うつ病や総合失調症などの精神病は、脳内の神経伝達物質異常が原因で起こります。
したがって、主な症状の一つに「しびれ」があります。
その他の病気
「足だけがしびれる病気」で挙げた
・足根管症候群
「手や腕だけがしびれる病気」で挙げた
・手根管症候群
・肘部管症候群
も指先にしびれを起こす場合があります。
最後に!
いかがでしたでしょうか?
「しびれ」と一言にいっても、その原因は多々あることが分かって頂けたかと思います。
軽い一時的なものから、重い脳の病気までさまざまですので、頻発する場合はなるべく早めに病院を受診されることをおすすめします。