盲腸炎(虫垂炎)の症状や初期症状、原因,治療,痛みの出る場所
このページでは、
●盲腸炎(虫垂炎)の症状(初期症状)・原因・治療・痛みの出る場所
についてわかりやすく!説明しています。
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盲腸炎(虫垂炎)ってなに!?
お腹が急に痛くなった・・・!
でもきっと、ただの腹痛だな!
と、思っていたら「実は盲腸だった!」という話はよくに耳にしますよね。
それだけ ”盲腸” は私たちにとって身近な病気なのです。
盲腸とは何なの?
一般的に ”盲腸になった!” と言いますが、これは”盲腸に炎症を起こす病気” なので、正確には「盲腸炎」が正しいです。
さらに盲腸炎は
”虫垂炎(ちゅうすいえん)”
とも呼ばれます。
ちなみに ”虫垂” は 盲腸から垂れ下がっている部分ですので、
”盲腸” と ”虫垂” は違う部分
をさします。
画像出典:http://www.nakamura-hosp.or.jp/health/tyuusuien.html
ではなぜ
盲腸炎 = 虫垂炎
のように扱われているのでしょうか?
それは、
”盲腸” と ”虫垂” が近い場所にあり、ほぼ同時に両方で炎症が起こるため、治療も同時にするケースが多くなります。
このため便宜上、
「盲腸炎」と「虫垂炎」は同じ意味で用いられるようになった
と考えられているのです。
ちなみに上の画像の通り、盲腸や虫垂は「右下腹部」にありますので、盲腸(虫垂炎)を起こすと右下腹部が痛くなります。
ではここから
「盲腸炎の症状(初期症状)」についてくわしく説明しましょう。
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盲腸の症状・初期症状とは!?
ではここから、
盲腸(虫垂炎)の症状・初期症状について説明しましょう。
まず、
盲腸の代表的な症状としては
●右下腹部の痛み
⇒痛み方は軽いものから激痛まで幅広いです
●微熱・発熱
●嘔吐・吐き気
⇒発症から24時間程度で収まります
●下痢
●便秘
●下腹部の違和感
などが挙げられます。
このうち初期症状としてあらわれるのが
●お腹全体の痛み
●吐き気や嘔吐
●微熱
です。
まず、お腹の痛みは「全体的な痛み」としてあらわれますが、徐々に右下腹部の強い痛へと進行していきます。
また、吐き気や嘔吐、微熱といった初期症状が出たあとは、下痢や便秘、下腹部の違和感(張りや腫張)なども見られるため、
”腸の調子が悪いのかな?”
”食あたりかな?”
と勘違いすることが多いです。
そして徐々に下腹部の痛みが強くなり「どうも普通の腹痛ではないな・・・」と感じはじめ、調べてみると盲腸だったというケースが多いようです。
なお、発熱に関しては一般的な盲腸では大体37℃前後の微熱が多いのですが、腹膜炎を合併すると重症度が上がるため、38℃以上の高熱を出すようになります。
ちなみに!
盲腸(虫垂炎)では、「右下腹部が痛くなる」とお伝えしましたが、ごく稀に虫垂が左側にある人がいますので、そのような方は左下腹部に痛みがあります。
これは内臓逆位という特殊な内臓の分布を持つ人で、虫垂だけでなく全ての臓器が左右反転しているとされています。
では続いて、
「盲腸(虫垂炎)の原因」について説明しましょう。
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盲腸(虫垂炎)の原因とは!?
盲腸(虫垂炎)を引きおこす原因には、以下のようなものが挙げられます。
慢性便秘症
便秘によって虫垂が圧迫され、炎症を起こしやすくなります。
ウィルス感染
ウィルスが付着した食品を接種し、腸内で炎症を起こす症状をウィルス性腸炎と言います。
このウイルス性腸炎の中でも、虫垂付近で炎症が起きた場合には、ウィルス性虫垂炎と呼ばれます。
ウィルス性の盲腸は急性増悪(強い症状が出ること)になりやすく、手術の適用となるケースが比較的多いです。
ストレス
慢性的な精神ストレスが原因で消化器の機能や免疫力が低下し、盲腸を引き起こしやすくなります。
暴飲暴食
暴飲暴食は、消化器に過度なストレスを与える行為です。
これらは「盲腸」の他、消化器に関する様々な病気の原因となります。
上記以外にも
一般的に上記に挙げたものが原因とされていますが、それ以外にも
・腫瘍(大腸がん)
・結石
・リンパ組織の過成形
などで開口部(虫垂と大腸の接点)がふさがってしまうことで、盲腸炎を引き起こす場合もあるとされています。
では続いて
「盲腸(虫垂炎)の治療」について説明しましょう。
盲腸炎(虫垂炎)の治療とは!?
盲腸の治療は、
3段階の盲腸の種類(症状のレベル) によって変わってきます。
また、腹痛がおこる原因としては、胃炎・腸炎・膵炎などなど、色々な病気が考えられます。
そのため、まずは検査・診断から始まります。
まずは検査と診断!
診断では、
●触診
●問診
●血液検査
●腹部レントゲン
が行われます。
これら虫垂炎が強く疑われる場合は、さらに
●腹部CT
●下腹部エコー検査
などを行い、炎症や腹膜炎の合併の状態を確認し、手術が必要かどうかを判断します。
これらで
・痛みの原因が盲腸炎(虫垂炎)なのか
・症状のレベル
が分かりますので、次はそれぞれの種類(レベル)ごとに、治療を開始します。
症状レベル1(軽い症状)
一番軽い状態の盲腸(虫垂炎)は
カタル性虫垂炎
と呼ばれます。
これは、虫垂の粘膜が表面上だけ炎症を起こしている状態を言います。
レベル1の場合の治療は?
カタル性虫垂炎では主に
抗生剤によって炎症を散らす治療法
が主流となりました。
これを保存療法と言います。
ただし、保存療法では10%〜20%の確率で再発する可能性がありますので、定期的な検診が必要です。
症状レベル2・レベル3(中 〜 重症)
症状レベル2の虫垂炎は
蜂窩織炎(ほうかしきえん)性虫垂炎
と呼ばれます。
このレベルでは、虫垂の壁が分厚くなり、腫れや充血が酷くなっている状態です。
さらに酷くなり、症状レベル3になると
壊疽(えそ)性虫垂炎
と呼ばれるようになります。
壊疽性とは、簡単にいうと
組織が死んでしまっている状態から、さらに酷くなった状態
です。
このレベルに達すると、
・虫垂が大きく腫れて膨らむ
・緑褐色や黒色になる
・虫垂に穴があく
などが見られます。
レベル2・3の場合の治療は?
レベル3の段階はもちろんのこと、レベル2においても「手術」が選択されることが多いです。
手術が適用となった場合も炎症の程度によって
●腹腔鏡手術
●開腹手術
のどちらかが選択されます。
長くなりますので、
手術については以下で詳しく説明します!
手術の違い・費用・入院期間!