左脇腹の痛み,違和感,鈍痛は膵臓の病気?|左脇腹が痛い原因
このページでは、
左脇腹が痛い時に疑われる原因や病気
についてわかりやすく説明します。
【両脇腹が痛い原因・病気はこちら】
⇒脇腹が痛い!脇腹の痛みの原因は、胆管結石や腹膜炎等の病気
【右脇腹が痛い原因・病気はこちら】
⇒右脇腹の痛み,違和感,鈍痛と病気の種類|右脇腹が痛い原因
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左脇腹が痛む原因とは?
怪我や打撲をした覚えもないのに「左脇腹が痛む」という場合は、内臓系の病気の疑いが高くなります。
お腹の左側には
●胃の上部
●膵臓(すいぞう)
●下行結腸(かこうけっちょう)
などがあり、ここになんらかの原因で炎症が起こると、左脇腹の違和感や痛み、鈍痛を引き起こすことになります。
内臓に炎症を起こす原因の大半は、
・生活習慣の乱れや生活習慣病による機能低下・免疫力の低下
・それに伴う血流障害
などが多いのですが、今回はそれ以外に挙げられる原因8種についても紹介していきましょう。
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左脇腹が痛い原因と病気8種
ではここから、
「左脇腹が痛む時に考えられる病気8種」を一つずつ説明しましょう。
@上部胃がん(じょうぶいがん)
胃は、お腹の左上側から右下にかけて斜めに配置されている臓器です。
したがって、胃の上側(全体の1/3程度)にがん細胞が出来ると、左脇腹に強い痛みを生じるようになります。
現在では ”がん” も生活習慣病の一つに数えられていますが、それ以外にも
・発がん性物質
・PM物質(極微細な化学物質)
などの環境ホルモンの影響によるもの、あるいは自然発生的に生じる ”がん細胞”などがあります。
胃がんのリスクとなる発がん性物質には
・タバコ
・刺激の強い食べ物(熱いもの、辛いものなど)
・アルコール
などが主に挙げられます。
特に胃腸機能が弱まり胃酸の分泌が異常に増加し、体内のPh値が酸性に傾くと胃がんになりやすくなると言われています。
A胃潰瘍(いかいよう)
胃潰瘍と胃がんは、病気としては全く異なりますが、発病するリスクはほとんど同じです。
また、慢性的な胃潰瘍は胃がんへと移行しやすいため、十分な注意が必要です。
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B逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)
逆流性食道炎とは、
胃酸の分泌が増えすぎた結果、食道側に逆流していく病気です。
「胃酸」と「消化されてない状態の食べ物」が一緒に逆流していき、胃の上部や食道との接合部に止まって炎症を起こします。
その結果、
●胃痛(左脇腹痛)
●胸焼け
●吐き気
●上腹部膨満感
などの自覚症状を覚えます。
この「逆流性食道炎」の主な原因としては
- 加齢
- 肥満や妊娠による腹圧の上昇(お腹が大きくなるにつれて胃が圧迫されること)
- 胃や食道の手術
- 食べすぎ
などが挙げられます。
”肥満”、”加齢”、”胃や食道の手術後” に起こる逆流性食道炎は慢性化しやすいため、呑酸(酸っぱいものがこみ上げてくる)や慢性的な胸焼け、胃痛などを感じた時は、なるべく早めに医療機関に相談しましょう。
C慢性膵炎・急性膵炎(すいえん)
膵炎とは、文字通り”膵臓が炎症を起こす”病気です。
膵臓は、胃の下側に沿って体の左側に配置されている細長い形をした臓器です。
慢性膵炎や急性膵炎では、発症すると左脇腹に痛みを感じる場合があります。
特に急性膵炎は強い炎症を起こす傾向にあるため、その分痛みが強くなります。
膵炎を起こす主な原因としては、
■急性膵炎の原因
⇒胆管結石(たんかんけっせき)
⇒膵がん(すいがん)
■慢性膵炎の原因
⇒糖尿病(とうにょうびょう)
⇒膵がん(すいがん)
が主なものになります。
上で出てくる ”胆管” は、膵臓から伸びる「膵管」と合流し、十二指腸へと接続しています。
《胆管と膵管 の位置》
画像出典:www.kanto-ctr-hsp.com
このため、胆管結石が出来ると、結石が膵臓側に移動する可能性があります。
すると、膵頭部(主膵管が伸びているところ)に強い炎症を引き起こす原因となります。
D膵臓がん(膵がん)
膵臓に出来るがんであり、ステージ2移行になると「がん細胞の増殖」によって慢性的な膵炎を生じ、左脇腹に痛みを引き起こします。
さらに進行した膵がんでは、慢性膵炎でも強い炎症反応が急激に増えるようになり、疼痛(とうつう)がおこります。
※「慢性膵炎急性増悪」と言います
E膵管結石(すいかんけっせき)
”膵炎の原因” として上で触れた病気です。
結石は胆のうや胆管で生じやすいのですが、特に胆管にできた石は胆汁の分泌に合わせて移動し、途中で合流している膵管側に移動します。
石の移動中に膵管の内部壁を刺激することで強い炎症反応が起こり、左脇腹痛が生じます。
”結石” ができるのは胆のうや胆管ですが、膵管側に移動してきたら「膵管結石」と呼ぶようになります。
小さな石が膵管側で止まり、大きくなることもあります。
なお体内に蓄積された脂肪酸やコレステロールが結晶化し、石のように硬くなったものが ”結石” であり、胆石の70%以上がコレステロール結石だとされています。
ちなみに!
胆石のうち、コレステロール以外の物質で出来るものは、ビリルビンと呼ばれる「古い赤血球に含まれる色素」に、カルシウムや銅などのミネラル成分が結合してできるビリルビンカルシウム系と呼ばれるものになります。
F下行結腸がん(かこうけっちょうがん)
下行結腸とは、
腹腔内を取り囲むように配置されている大腸のうち、左脇腹側にある上から下に便が移動する部位にあたります。
ここにがん細胞が生じると、強い左脇腹痛を起こすようになります。
大腸がんの原因の可能性としては
- 便秘
- 刺激の強い食事
- ストレス
- 過激なダイエット
- 太り過ぎ
- 家族性の要因(「遺伝」や「生活習慣を共にすること」)
などが挙げられます。
この中で特に「便秘」と「家族性の要因」は、大腸がんリスクとしては重要視されています。
そのため、便秘気味の人は便秘の解消を、家族に大腸がんの既往がある人は定期的に大腸検診を受けるように心がけましょう。
G下行結腸憩室炎(かこうけっちょうけいしつえん)
憩室(けいしつ)とは、
内臓の内壁に出来るくぼみのことで、特に便が固まる「下行結腸から直腸」にかけて出来やすい病変(病気によって変質した状態)です。
便が硬い人や便秘気味の人に出来やすく、慢性的な便秘になると
- 長期間便が同じ憩室内に止まり、有害なメタンガスを発生させ炎症を起こす
- 腸壁に穴を開けて(腸壁裂孔)重症化する
といったリスクがあります。
軽度な憩室は問題ありませんが、慢性便秘の人は十分に注意が必要です。
さて、ここまで紹介した左脇腹痛の原因となる病気は、いずれも重症化すると深刻な病気になる危険性の高いものばかりです。
ただし、早期発見ができればいずれも確実な治療効果が期待できる病気ばかりですので、左脇腹に原因不明の痛みや違和感を感じたら、すぐに医療機関に相談することが大切です。
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