むずむず脚症候群の原因・治療・薬・病院と、対処法や漢方薬
このページでは、
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)について
- 症状と前兆!
- 原因ははっきりしてない?
- 治療とは?
- 3つの治療薬
- 市販の漢方薬はコレがオススメ!
- 妊婦との関係は?
- 病院(専門医)は何科が良い?
をどこよりも分かりやすく!説明します。
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むずむず脚症候群とは?【症状】
「むずむず脚症候群」ってなに!?
という方がほとんどでしょう。
それもそのはずで、近年までは病気として認定されていなかった比較的新しい病気だからです。
しかし、その特徴的な症状を知れば、
「もしかして私もそうだったの?」
と思う人も多いかも知れません。
この病気は、炎症や感染を起こして強く痛んだり、熱が出たりという極端な症状が起こらないので、見落としやすいのです。
それ故、これまで診察を受ける人が少なかったため、発見が遅れ、最近になって医療界で話題になっている病気なのです。
あまり怖く無さそうな病名ですが、放置していると日常生活に深刻な支障をきたす危険性のある病気ですので、きちんと病気を理解して正しい治療を受けるようにしましょう。
具体的な治療法は後ほど説明しますが、早期に発見をして適切な治療を受ければ十分に症状の改善が見込める病気とされています。
むずむず脚症候群にはサインがある!?
この病気には、以下に挙げるようなサイン(症状)があります。
心当たりのある方は、「むずむず脚症候群」の可能性もありますので、一度お医者さんに相談してみてください。
- 眠る時、脚の皮膚内部に気持ちの悪い違和感があり、なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまう。
- 夕方から夜にかけてくつろいでいると脚にむずがゆいような、モヤモヤとした違和感がある。
- しばらく座っていると、無性に脚を動かしたくなるような違和感を覚える。
- 映画鑑賞や、飛行機や電車での移動など、長時間座ってなければならない状態になると、脚がムズムズして歩き出したくなることがある。
いかがでしょうか?
安静時に脚がムズムズとする違和感
そして、
その違和感によって脚を動かさずにいられない衝動
という、二つのサインには心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
この ”ムズムズとした違和感” は不思議なことに歩き回れば消滅します。
その為この症状が、病気のサインだとは気づかない人が多く見逃されてきたと考えられています。
むずむず脚症候群が日常生活に与える悪影響
「むずむず脚症候群」は、
特に睡眠中や脚を安静にしている時に症状が出てくることが多いです。
その為、違和感から目が覚めてしまい、睡眠不足に陥ることが多く、日中に強い眠気に襲われて事故を起こすこともあります。
また、日中でもイライラするため、本格的な ”不眠症” や ”うつ病” 、 ”総合失調症” 、”自律神経失調症” などの精神病や神経性の病気に移行しやすいとされています。
放置していると、これら二次的な病気へと移行しやすいので、早めに治療を受けることが重要です。
では続いて、
「むずむず脚症候群の原因」について説明します。
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むずむず脚症候群の原因とは!?
この病気を引き起こす直接的な原因は、今の所まだ解明されていません。
しかしながら、
「脚の深いところで”ムズムズするような違和感”を覚える」
というのは、”神経の異常興奮”が関係していると考えられています。
異常興奮は脳の障害かも?
人間は「興奮」したり、その興奮を「鎮静」する時に、大脳と中脳を働かせます。
例えば、アクション映画などを見ていて ”ハラハラ”、”ドキドキ” するのは視覚や聴覚から得た情報を大脳内で分析し、アドレナリンなどの興奮物質を放出することで起こります。
そして興奮状態が行き過ぎないように中脳からは適宜「ドーパミン」という鎮静物質が放出され、精神状態を適度に維持しているのです。
このむずむず脚症候群では、
「ドーパミン」などの鎮静物質の血中濃度が低い
もしくは、
「アドレナリン」などの興奮物質の血中濃度が異常に高い
という傾向があります。
そのため、それらを司る大脳もしくは中脳に ”何かしらの障害” が生じていると考えられています。
※原因が不明の病気なので ”何” が脳に障害を起こさせているかは解明されていません
ではここからは、
脳の興奮を引き起こすと考えられるいくつかの要因を説明しましょう。
「パーキンソン病」の前兆かも!?
実は、大脳や中脳に異常を来す難病として知られている病気に「パーキンソン病」があります。
「パーキンソン病」になると
- 足の震え
- 筋肉のこわばり
- 姿勢障害(ちょっと押されただけでよろけたり、歩いている時に人とぶつかることが多くなる)
- 反射神経に障害を起こすため、動きが鈍くなり最悪の場合寝たきりの状態になる
などの症状が発生します。
今の所、「パーキンソン病」と「むずむず脚症候群」との因果関係は不明ですが、パーキンソン病の初期症状ではないかと指摘している研究者もいます。
そのため、「むずむず脚症候群」は発病後に十分注意が必要な病気と言えます。
「不眠」が関係する!?
考えられている直接的な要因の一つとして
「不眠」
が挙げられています。
不眠とは、単に「寝付けずに、睡眠時間が短い」というだけではありません。
長時間寝ていたとしても、
「睡眠の質」が悪ければ睡眠時間が足りていても「不眠状態」となり、様々な悪影響が出てきます。
たとえば、
徹夜明けの寝不足状態での症状として、
「妙な高揚感」
「ちょっとしたことでイライラする」
という2つが挙げられますが、これらはどちらも代表的な「興奮状態」です。
この「興奮状態」が慢性化することで、ドーパミン不足を招き「むずむず脚症候群」が発病すると考えられます。
投薬中の薬が関係する!?
あなたは今、以下の病気で投薬治療を受けていませんか?
- 鉄欠乏性貧血(月経過多や生理不順なども含む)
- 慢性腎不全
- パーキンソン病
これらは、治療薬の中に「ドーパミンの分泌を抑制する成分」が含まれている場合があります。
すると、その成分の副作用による合併症として、「むずむず脚症候群」を発病する場合があります。
この場合は「二次性(原因がはっきりとしている)むずむず脚症候群」と呼ばれるケースなので、原因となっている薬を中断するか変更することで症状は無くなります。
ですが上の3つは、いずれも難病です。
そのため、むずむず脚症候群の症状が出てきた場合は今後の治療方針を先生としっかり相談しましょう。
鉄分不足!?
ドーパミンを正しく働かせるためには、実は鉄分が必要です。
脳内では、ドーパミンが神経を伝達して流れていきますが、鉄分不足に陥ると、上手く伝達されなくなってしまいます。
また、鉄分がドーパミンそのものの生成にも関わっているため、鉄分不足によるドーパミン不足で、むずむず脚症候群を引き起こすと考えられています。
では続いて、
「むずむず脚症候群の治療」について説明しましょう。
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むずむず脚症候群の治療とは!?
この病気の治療法は主に二つです。
●生活習慣の見直し
●投薬治療
です。
では、一つずつ説明しましょう。
生活習慣の見直し
この病気は
「神経の異常興奮」が原因で起こる病気
だと考えられています。
そのため、興奮作用のある以下の成分は、摂取を控えるようにしましょう。
- カフェイン、アルコール、タバコなどの嗜好品
- ニンニクや生姜など、急激に血流量を上げる食品(ただし、夕飯での摂取したり、大量摂取を控えれば、通常の食事で食べる程度なら問題ありません)
また、以下の行為は、「交感神経を刺激して、副交感神経(癒しの神経)の働きを邪魔してしまう」ため、出来るだけ避けるようにしましょう。
- 寝る前のパソコンやスマホいじり、テレビゲームなど
- 徹夜
- 夜の作業(仕事を持ち帰って自宅で済ませるなど)
さらに、
発作を予防するためには、以下の心がけが大切です。
- バランスのとれた食生活をきちんと三度摂ること
- 適度な運動習慣(ウォーキングやストレッチ、ヨガなど軽めのものがリラクゼーション効果大)
- 寝る前の脚のマッサージ
以上ように、夜寝る前のリラクゼーションを心がけるようにすれば、発作は起こりにくくなりますので、まずは生活習慣を改善するようにしましょう。
では続いて
もう一方の治療法「投薬治療」について説明しましょう。
投薬治療について
現在、「むずむず脚症候群」の治療に用いられるのは、三種類の薬剤です。
- プラミペキソール
- ドーパミン製剤
- 抗てんかん薬
病気の程度にもよりますが、
“8割以上の患者さんは、1種類の薬を飲むだけで症状の改善が見られる”
と報告されているので、投薬治療はかなり効果的な治療法であるといえるでしょう。
それでは、
三種類の薬剤について説明しましょう。
@プラミペキソール
プラミペキソールは「成分名」であり、
商品名は「ビ・シフロール」です。
この病気の治療薬として、第一選択肢となるが「プラミペキソール」を主成分とした薬です。
この薬には、脳内において「ドーパミン(鎮静物質)」と呼ばれる鎮静物質の分泌量を増やすことで、”もやもや感” 発作を予防する効果があります。
ただし、
以下のような副作用が報告されています。
- 眠気
- 幻覚、意識障害
- 喉の渇き
- 頭痛
- 脱力感
いずれも重い副作用ではありませんが、念のため服用直後の車の運転や力仕事などは控えた方が良いとされています。
副作用を感じたらすぐに主治医に相談しましょう。
Aドーパミン製剤
パーキンソン病(難病の一つ)の治療などで使われる薬であり、
“ドーパミンそのものを服用することで、ドーパミンの血中濃度を上げる”
ための薬です。
ドーパミンを直接補給するため、最も効果が高そうと思われがちですが、症状が重く緊急性を要する場合以外では、以下の理由よりあまり使われる事はありません。
●亢進状態になる
⇒服用後3ヶ月を経過すると、薬を使っていなかった頃よりも症状が強くなるケースが確認されています。
●反跳(はんちょう)作用が起こる
⇒長期投与を行うと体が薬に慣れてしまい、薬の効き目が弱くなり、薬の有効作用時間が徐々に短くなります。
これにより、寝ている間に薬の効き目が切れ、発作が起こるリスクが高まります。
B抗てんかん薬
「プラミペキソール」が効かない場合に用いられるのが、「抗てんかん薬」です。
「抗てんかん薬」にはいくつか種類がありますが、「むずむず脚症候群」で用いられるのは以下2つの成分を含んだ薬です。
クロナゼパム
(商品名:リボトール、ランドセン)
⇒この成分には、神経の興奮を鎮める作用があります。
「むずむず脚症候群」の発作で不眠状態が続いている場合などに処方されます。
ガバペンチン
(商品名:ガバペン、レグナイト)
⇒脚の違和感が強い場合に処方される薬です。
これら投薬治療は根治治療ではない!
以上のとおり、
「むずむず脚症候群」においては、投薬治療を行えば治療効果は高いと言えます。
しかし、上で説明しましたとおり、この病気自体は原因不明の病気ですので、根治治療というのはまだ確立されていません。
したがって、投薬治療とは言ってもあくまで「対症療法」ですので、薬を長期間飲み続ける必要があります。
もちろん薬ですので副作用もありますし、体質などによって効果の出方もマチマチです。
また、他の病気で投薬治療を受けている場合は、これらの薬が処方できない場合もあります。
ですので、そのような方々のために、
「むずむず脚症候群に効く漢方薬」も紹介しましょう!
むずむず脚症候群に効く漢方薬
漢方薬は「生薬」と呼ばれる植物や動物の有効成分をブレンドして調合される東洋医学の薬物治療です。
副作用などのリスクは少ないのですが、「飲み方」や「体質」によって効き目が大きく変わってきますので、服用前には漢方医や漢方に詳しい薬剤師に相談しましょう。
知柏地黄丸(ちはくじおうがん)
神経の興奮を抑え、体に溜まった不浄な水分を除去してくれます。
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
興奮しやすく体が火照りやすい人に向いています。
当帰飲子(とうきいんし)
過敏症でかゆみや違和感を覚えやすい人に向いています。
一見関係なさそうに見えますが、「血」を補うことで、体内のむずむずした不快感を抑えます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
東洋医学では虚血(きょけつ)と呼ばれている血が不足しがちな人に向いています。
こちらも「血」を補うことで、体内のむずむずした不快感を抑えます。
では続いて
「妊娠とむずむず脚症候群の関係」について説明します。
妊婦以外の無い方は、飛ばしていただいてもかまいません!
妊娠と、むずむず脚症候群の関係とは?
妊娠してから、どうもムズムズ足症候群が疑われる・・・
という方、結構いらっしゃるかもしれません。
参考!
むずむず脚症候群の主な原因は「神経の異常興奮」ですが、妊婦の方は発症しやすいと言われています。
そこには以下の2つの理由があります。
@鉄分不足
Aせき髄圧迫
では、1つずつ説明しましょう。
@鉄分不足
「原因」の中でも説明しましたが、鉄分が不足すると、「ドーパミン(興奮を抑える物質)」が上手く働かなくなります。
このドーパミン不足によって「慢性的な興奮状態」に陥ると、むずむず脚症候群が発症しやすくなります。
妊娠中は特に、お腹の中の赤ちゃんへ赤血球を送るため、母体では血に含まれる鉄分が不足がちになります。
もともと貧血気味の方は、妊娠とともに発症する事もありますので、日常の食生活において、しっかり鉄分を摂取しましょう。
なお、サプリによる摂取をお考えの方は、必ずお医者様への判断を仰ぎましょう。
Aせき髄圧迫
せき髄が圧迫される病気(例えば、椎間板ヘルニアなど)は、むずむず脚症候群を併発することがあります。
妊娠中も同じことが言え、お腹の赤ちゃんの成長とともに、腰周りへの負荷が増えるため、むずむず脚症候群が発症することがあります。
なお、出産を終えると、この症状は無くなります。
では続いて、
「むずむず脚症候群は何科の病院を受診?」をお伝えします。
むずむず足症候群は何科の病院?(専門医について)
むずむず脚症候群はまだまだ知名度の低い病気です。
それゆえ、
「一体、何科を受診すれば良いのだろう・・・」
と悩まれる方も多いと思います。
結論から言うと、
- 神経内科
- 内科
- 精神科
- 診療内科
のいずれかになります。
まず、「むずむず脚症候群の原因」を簡単に言うと、
「脳内物質が正しくコントロール出来ていない状態である」
と考えられています。
※この病気を引き起こす直接的な原因はまだ解明されていません
つまり、今現在考えられている原因は、「脳内の神経伝達に関するの話」に繋がりますので、神経に精通している神経内科がベストと考えられます。
もしご近所に「神経内科」が無い場合は、「内科」を受診しましょう。
また、今現在すで「むずむず脚症候群による不眠症」が深刻化している方は、「精神科」もしくは「診療内科」を受診しましょう。
まとめ!
いかがでしたでしょうか?
むずむず脚症候群は、不眠症やうつ病などの精神病へ移行する危険性もある病気です。
はっきりとした原因は不明とは言え、「神経異常が原因の可能性が高い」とされていますし、8割の人は投薬治療でなんらかの改善が見られるとされています。
思い当たる方は、上であげた病院を受診されてみてはいかがでしょうか。